レギュラーガソリンが150円/リットルを超え、インスタントラーメンが軒並み数十円の値上げ・・・などなど、この数ヶ月の物価上昇は急激なものがあります。
大企業の業績が急速に回復するのと相反して、一般市民のいわゆる生活必需品負担はますます高まるばかりです。
その大きな要因として、
「原油の高騰」があげられています。1バレル(ドラム缶約一本分)の原油が、ついに100ドルに達しようとしているのです。原油価格はガソリン代だけではなく、製品にかかる燃料費、輸送費などなど様々なコストにつながっているからですね。
では、なぜ今、原油が高騰しているのか。
『週刊文春』11月8日号の
「『生活崩壊』 3大ショック」という記事によれば、あの
「サブプライムローン問題」が最大の理由だというのです。
サブプライムローンについては前々回のエントリーで取り上げたように、低所得者向けの高金利住宅ローンのことですが、問題はそれが証券化されて金融市場にばらかまれていることでした。幾多の中間者を経て渡っていくこの証券を手にした人は、その発行者さえわからなくなっているといいます。
このサブプライムローンの破綻(予測)を契機に訪れた金融商品価値の下落をうけて、
「世界の投機マネーは、信用不安が広がった金融市場から逃げ去り、穀物や原油などの商品市場に雪崩を打って流れ込んだ」(同記事)らしいのです。それが、原油価格を急上昇させた犯人、というわけです。まったくもう。
さらに付け加えますと、この信用不安をかき消すために各国の中央銀行は巨額の資金を市場に供給したため、「いまは世界にお金がジャブジャブ」あると記事では書かれています。その資金は一体、どこにいくのでしょうか。
ここからが本題なのですが、この溢れんばかりの資金は商品市場だけでは物足りず、日本の不動産市場に投入されるのではないか、というのがこの記事の予測です。
「ここ十年、海外ではニューヨークやロンドンなど欧米大都市の不動産価格は上昇一方で、資金調達コストと投資利回りを考えれば割りにあわなくなってきている。
欧米と比較すれば日本の不動産価格は割安。たとえ不動産運用利回りは低くても、金利の低い日本では資金調達コストが安く済むから問題ない。彼らにとっては絶好の狙い目なのです」
これが本当ならば、ただでさえ現在の都心の不動産価格は高すぎるというのに、さらに値上がりが予想されます。さて、どうなってしまうのでしょう。素人の私にはよくわかりませんが、不動産バブルだけは勘弁してもらいたいもんです。投機マネーに左右されるといいことなんて、ありゃしません。
さて、まったく関係ありませんが、ここで本の紹介をば。
私salomeは経理も担当しているわけですが、この会計の世界、素人にはわからないことがあまりにも多すぎます。そこで、会計の本を本屋で買い集め日々勉強しているわけですが、ここで紹介する
國貞克則氏の
『財務3表一体理解法』(朝日新書)は、大変勉強になった一冊です。
この本は、よく知られる「貸借対照表(バランスシート)」「損益計算書」「キャッシュフロー計算書」を相互関係のなかで理解しようというものです。決算書を読むときにもこの財務3表の知識は欠かせませんから、勉強しておいて損はないはず。
この本の特徴は、簿記の知識がなくとも、財務3表の構造を理解し、関係を把握し、会社取引とはどういうものかを知ることができる点にあります。私が読んだ印象では、多少簿記の知識があったほうがいいような気もしますが、いずれにしましても
「会社経営を把握する」=「いい決算書を作る」ための最適な入門書といえると思います。
会計に関心のある方、経理担当の方、そして経営者の方たちにお奨めの一冊であります。
salome